アスベスト事前調査とは?対象工事・資格・費用・流れ・報告を完全解説

アスベスト事前調査とは?対象工事・資格・費用・流れ・報告を完全解説
2026年8月25日 確認

アスベスト事前調査とは、建築物や工作物を解体・改修する前に、工事で触る材料へ石綿が使われているかを確認する調査です。

このページでは「自分の工事に必要か」「誰が調査できるか」「書面・目視・分析をどう進めるか」「行政報告や届出は必要か」を、2つの無料チェックと図解で順番に確認できます。

80㎡・税込100万円は、主に「行政へ結果報告するか」の基準です。 基準未満でも、既存材料を壊す・削る・穴を開ける・取り外す工事では、事前調査が原則必要です。一部の対象外作業は別に確認します。

アスベスト事前調査を30秒で確認

いつ必要?解体・改修工事を始める前

工事名や金額だけでなく、既存材料へ行う作業で判断します。

誰の義務?元請業者・自主施工者

調査、記録、説明、掲示、必要な行政報告を行います。

誰が調べる?原則、対象に合う資格者

建築物・工作物・分析では、それぞれ必要な要件が異なります。

何を確認?工事で触る範囲の全材料

仕上材だけでなく、下地・接着剤・重ね張りにも注意します。

分析は必須?判断できない材料だけ検討

分析するか、石綿含有ありとみなして対策します。

調査後は?記録・保存・掲示・報告へ

石綿ありの場合は工事計画と必要な届出も確認します。

まず、下のチェックで事前調査・資格・行政報告の目安を確認できます。対象外作業の条件から詳しく見たい方は、事前調査が不要となる工事の解説をご確認ください。

事前調査・資格・行政報告を1分でチェック

いくつかの質問に答えると、事前調査・資格・行政報告の要否をかんたんに確認できます。

1分でかんたんチェック 2026年1月1日以降着工の工事を想定
あなたの工事で必要な対応を確認します

いくつかの質問に答えると、事前調査・資格・行政報告の3項目を確認できます。

小規模でも
事前調査は原則必要です
2006年9月1日以降でも
着工日等の書面確認が必要です
石綿がなくても
規模要件に該当すれば報告が必要です
質問 1 / 4 25%
Q1

工事する対象はどちらですか?

建築物に設ける給排水・換気・暖房・冷房・排煙などの建築設備は「建築物」としてお選びください。
Q2

工事内容はどちらですか?

Q4

対象建築物の新築工事の着工日は?

設計図書など、着工日を確認できる書類をご確認ください。

Q4

工作物の種類をお選びください

建築物に設ける給排水・換気・暖房・冷房・排煙などの建築設備は、工作物ではなく建築物としてご確認ください。
Q5

対象工作物の設置工事の着工日は?

設計図書・設置記録など、着工日を確認できる書類をご確認ください。

Q5

石綿が使用されているおそれのある材料を除去等する作業ですか?

塗料・防食塗装モルタル・コンクリート補修材シーリング材 パテ接着剤補修跡がある部分
Q6

一部の設備で使用されるガスケット・グランドパッキン等に該当しますか?

一部の用途では、2006年9月1日より後まで石綿使用禁止が猶予されたガスケット・グランドパッキンがあります。

Q7

どの設備・部材に該当しますか?

Q8

現在の部材の設置・交換時期は?

ガスケット・グランドパッキンは途中で交換されている場合があります。現在使用されている部材の設置・交換時期を、設備仕様書・保全記録・交換履歴などからご確認ください。
CHECK RESULTチェック結果
01事前調査
必要

この後の流れを見る →
02事前調査に必要な資格

必要な資格を見る →
03事前調査結果の行政報告
必要

行政報告の説明を見る ↓
ご利用にあたって 本ツールは一般的な解体・改修工事について、入力された条件をもとに簡易的に確認する参考ツールです。 すべての工事条件、例外規定、自治体独自の取扱い等を網羅するものではなく、表示結果の正確性・完全性を保証するものではありません。 実際の工事では最新の法令・公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または有資格者へご確認ください。 本ツールの結果のみを根拠として工事・届出等の判断を行わないようお願いいたします。

アスベスト事前調査とは?誰の義務?

アスベスト事前調査は、解体・改修する部分に石綿含有材料が使われているかを工事前に確認し、飛散・ばく露防止措置、工法、廃棄物処理、行政報告や届出を決めるための調査です。

改修工事では建物全体を一律に調べるのではなく、壁・天井・床・屋根・外壁・設備配管など、実際に切断・穿孔・研磨・撤去等を行う範囲を材料ごとに確認します。

元請業者・自主施工者

工事前に事前調査を実施し、結果を記録します。発注者への説明、現場への備え付け・掲示、対象工事の行政報告も行います。

発注者・建物所有者

設計図書、仕様書、改修履歴などの情報を提供し、適正な調査や除去に必要な費用・工期へ配慮します。

事前調査・分析・行政報告・届出は別です

事前調査

工事範囲の材料を、書面と現地の目視で確認します。

分析

書面・目視で判断できない試料の石綿有無を確認します。

結果報告

一定規模以上の工事で、調査結果を着工前に行政へ報告します。

除去等の届出

石綿ありの場合、建材と作業内容に応じて別途確認します。

行政報告の具体的な対象・入力方法は事前調査結果報告の解説、除去等作業の様式や期限はアスベスト除去工事に必要な届出で確認できます。

アスベスト事前調査が必要な工事・不要な工事

原則として、建築物・工作物等の解体や改修を行う前に、作業部分の事前調査が必要です。「小規模」「短時間」「100万円未満」という理由だけでは調査不要になりません。

対象になりやすい工事

  • 建物全部または壁・天井・床などの部分解体
  • 修繕、原状回復、リフォーム、リノベーション
  • 外壁塗装前の研磨、仕上塗材・下地の除去
  • 配管・空調・電気設備の更新や撤去
  • 既存壁への穴あけ、切断、削孔、アンカー施工

対象外となる場合がある作業

  • 石綿を含まないことが明らかな木材・金属等だけを、周囲を傷つけず取り外す
  • 釘の打ち抜きなど、材料への損傷が極めて軽微
  • 既存材料を除去せず、新しい材料を追加するだけ

対象外作業の詳しい条件を見る →

事前調査と行政報告の要否一覧

工事区分事前調査行政への結果報告
建築物の解体
解体対象床面積80㎡以上
原則必要必要
建築物の解体
解体対象床面積80㎡未満
原則必要原則不要
建築物の改造・補修
請負金額100万円以上(税込)
原則必要必要
建築物の改造・補修
請負金額100万円未満(税込)
原則必要原則不要
特定工作物の解体・改造・補修
請負金額100万円以上(税込)
原則必要必要
特定工作物の解体・改造・補修
請負金額100万円未満(税込)
原則必要原則不要
既存部分の解体・改修を伴わない新築工事不要不要

請負金額は、工事に係る材料費・機器費・消費税を含み、事前調査費用は含みません。自治体条例等により追加手続きが必要な場合があります。

2006年9月1日以降の建築物も「何もしなくてよい」わけではありません。 設計図書等で新築工事の着工日が2006年9月1日以降と確認できる建築物は、その書面確認により石綿なしと判断できる場合があります。着工日を確認して記録すること自体が事前調査です。工作物では一部のガスケット・グランドパッキン等の使用禁止猶予にも注意します。

アスベスト事前調査の流れを7ステップで確認

工事範囲を先に確定し、書面と現地を照合してから材料ごとの判断へ進みます。分析は、判断できない材料だけに行う工程です。

STEP 1工事範囲

壊す・削る・穴を開ける場所を整理

STEP 2書面調査

図面、仕様書、改修履歴を確認

STEP 3目視調査

現地の建材と書面を照合

STEP 4材料別判定

石綿の有無と根拠を整理

STEP 5分析・みなし

判断できない材料だけ対応

STEP 6記録作成

範囲、結果、根拠、調査者を記録

STEP 7説明・報告

掲示、行政報告、届出へ

書面調査と目視調査では何を見る?

設計図書、仕様書、改修履歴を確認するアスベスト事前調査者
書面で候補を絞り、現地の実物と一致するかを確認します。
  • 設計図書・仕様書仕上表、矩計図、特記仕様書、材料承認書など
  • 新築工事の着工日・改修履歴竣工日ではなく着工日を確認。過去の重ね張りにも注意
  • 製品名・メーカー・型番裏面表示、刻印、不燃番号、メーカー証明等を照合
  • 現地の材料構成図面との違い、隠蔽部、接着剤、下地調整材も確認

表面だけで終わらせない

1
仕上材壁紙、床材、仕上塗材など
2
接着剤・下地調整材表面から見えない材料
3
ボード・下地材せっこうボード、成形板など
4
重ね張り・改修層異なる年代の材料が重なる場合あり

データベースだけで「なし」にしない

建材データベースに製品が見つからないことは、石綿なしの証明ではありません。図面どおりの建材が使われていない場合や、改修で別材料へ変わっている場合もあります。

年代・製品表示・資料から確認する方法を見る →

公的資料をもとにかんたん確認

石綿含有可能性 かんたん確認

建材の種類と施工・製造年を選ぶと、 代表的な石綿含有建材が製造・使用されていた時期の目安と照合できます。

建材について教えてください

2項目を選ぶだけで確認できます。

代表的な石綿含有建材から選択できます。

正確な年が分からない場合は、おおよその年を選択してください。

建材種類
選択した年
石綿含有製品の時期の目安
確認結果

年代チャート

黄色が石綿含有製品の時期の目安、赤い線が選択した年です。

選択した年

次に確認したいこと

  • 商品名・型番
  • 裏面などの製品表示
  • 設計図書・仕様書
  • 改修履歴

次の選択肢

参考: 国土交通省「目で見るアスベスト建材」、 厚生労働省の建築物石綿含有建材調査者講習テキスト等の公的資料をもとに、 代表的な製造・使用時期の目安を表示しています。

※年代はおおよその目安です。 年代だけで石綿の有無を確定することはできません。 製品情報、設計図書、現地確認などを踏まえてご確認いただき、 判断が難しい場合は分析または石綿含有とみなす方法をご検討ください。

判断できない建材は「分析」または「石綿ありとみなし」

事前調査で書面・目視から石綿の有無を判断できない場合、対応は二つです。分析はすべての材料に必須ではありません。

試料を分析して確認する

有資格者が代表性を考慮して試料を採取し、法令上の要件を満たす分析者が石綿の有無を確認します。結果は採取場所と工事範囲へ結び付けて調査記録に反映します。

分析方法の違いを確認する →
または

石綿含有ありとみなす

分析を省略し、石綿含有建材として必要な飛散・ばく露防止措置、工法、廃棄物処理等を行います。工事費用・工程も含めて比較します。

分析が向くケースを確認する →
NASUのサービスは建材試料の分析です 書面・目視で判断できない建材を分析

JIS A 1481-1による定性分析を、全国から1検体より受け付けています。事前調査一式の料金ではありません。

アスベスト事前調査は誰ができる?必要な資格

通常の事前調査は、建築物・工作物などの対象区分に合う資格者が行います。調査者、分析者、石綿作業主任者はそれぞれ役割が異なります。

対象主な資格・要件注意点
建築物特定・一般建築物石綿含有建材調査者、所定の継続登録者等2023年10月1日以降着工の対象工事から資格者調査
一戸建て住宅等の限定範囲一戸建て等石綿含有建材調査者一戸建て住宅と共同住宅の住戸内部など、調査範囲に制限
設備系の特定工作物工作物石綿事前調査者反応槽、加熱炉、ボイラー、配管、発電・変電設備等
その他の特定工作物工作物調査者のほか、一定の建築物調査者等が認められる区分あり工作物の種類と資格の組み合わせを確認
採取試料の分析分析調査講習修了者等、法令上の分析者要件を満たす者調査者資格とは別の要件
石綿除去等作業の指揮石綿作業主任者この資格だけでは事前調査者要件を満たさない

2026年1月1日以降着工の対象作業から、工作物でも資格者による事前調査が必要です。区分ごとの詳細はアスベスト事前調査に必要な資格2026年の制度変更をご確認ください。

アスベスト事前調査の費用・日数

事前調査一式の費用や日数は、図面の有無、工事範囲、建材数、隠蔽部、現地条件、採取・分析検体数、報告書、交通費等で変わります。見積もりでは「事前調査」と「建材分析」を分けて確認すると比較しやすくなります。

事前調査費用に含まれ得るもの

  • 設計図書・仕様書・改修履歴の確認
  • 現地の目視調査、写真、図面への記録
  • 試料採取と飛散・ばく露防止措置
  • 建材分析、調査報告書、交通費・諸経費

NASUの建材分析料金

標準分析:17,000円(税別)/18,700円(税込)・正式PDF 7営業日以内

スピード分析:19,000円(税別)/20,900円(税込)・正式PDF 3営業日以内

JIS A 1481-1定性、層別結果、石綿検出時の推定石綿質量分率、電子印付きPDFを含みます。

最新の料金・納期と起算日を確認する →

行政報告と、事前調査後に必要な対応

行政への事前調査結果報告は、石綿の有無ではなく工事の種類・規模で判断します。対象工事は、原則として石綿事前調査結果報告システムを利用して工事着手前に報告します。

工事行政報告の基準ポイント
建築物の解体解体対象床面積の合計80㎡以上石綿なしでも報告
建築物の改造・補修請負代金100万円以上(税込)材料費等を含み、事前調査費用は除く
特定工作物の解体・改造・補修請負代金100万円以上(税込)報告対象の特定工作物に限る

調査が終わった後の4つの対応

1説明・記録

結果と根拠をまとめ、発注者へ書面説明

23年間保存

調査記録を保存し、工事現場へ備え付け

3結果を掲示

工事期間中、見やすい場所に概要を掲示

4報告・届出・施工

行政報告、必要な届出、工事計画へ

事前調査結果の行政報告と、石綿除去等作業の届出は別の手続きです。報告対象と入力方法届出の種類・様式を分けて確認してください。

アスベスト事前調査のよくある質問

小規模な工事でも事前調査は必要ですか?

既存材料を壊す・削る・穴を開ける・取り外す解体・改修工事では、規模にかかわらず原則必要です。材料を傷つけない一部作業など、法令上の対象外はあります。

解体80㎡未満、改修100万円未満なら不要ですか?

不要ではありません。80㎡と税込100万円は主に行政への結果報告基準です。基準未満でも事前調査、記録、掲示等は別に確認します。

2006年9月1日以降の建築物でも必要ですか?

必要です。ただし、新築工事の着工日を設計図書等で確認できる建築物では、その書面確認により石綿なしと判断できる場合があります。報告基準以上なら結果報告も必要です。

新築工事でも事前調査は必要ですか?

既存部分の解体・改修を伴わない純粋な新築工事は対象ではありません。建て替え等で既存建築物を解体する場合は、その既存部分について調査します。

誰でも事前調査できますか?

通常の調査は、建築物・工作物など対象に合う資格者が行います。着工日の書面確認による簡略方法等、通常の資格者調査を要しない場合もあります。

石綿作業主任者でも事前調査できますか?

石綿作業主任者の資格だけでは事前調査者要件を満たしません。除去等作業を指揮する資格と、工事前に建材を調べる資格は別です。

アスベスト分析は必須ですか?

必須ではありません。書面・目視で判断できない材料は、分析するか、石綿含有ありとみなして必要な措置を行います。

石綿がなければ行政報告は不要ですか?

工事の種類・規模が報告基準に該当すれば、石綿なしという調査結果でも工事着手前の行政報告が必要です。

事前調査の費用はいくらですか?

図面、調査範囲、建材数、隠蔽部、採取・分析検体数、報告書、交通費等で変わります。事前調査一式と建材分析費用を分けて見積もりを確認してください。

調査や分析には何日かかりますか?

事前調査全体は規模・資料・現地条件・分析数で異なります。NASUの正式PDF報告書は、標準分析7営業日以内、スピード分析3営業日以内です。

まとめ|工事前に「調査・分析・報告」を分けて確認

  • 解体・改修工事では、工事で触る範囲の全材料について事前調査が原則必要です。
  • 80㎡・税込100万円は行政報告の基準であり、基準未満でも調査不要とは限りません。
  • 書面と現地を照合し、判断できない材料だけ分析または石綿含有みなしへ進みます。
  • 調査後は記録、3年間保存、現場への備え付け・掲示、対象工事の行政報告を行います。
書面・目視で判断できない建材がある場合 JIS A 1481-1によるアスベスト分析

全国から1検体より受付。標準18,700円(税込)・7営業日以内、スピード20,900円(税込)・3営業日以内です。

アスベスト分析を依頼する
参考にした主な公的資料・確認日

最終確認日:2026年8月25日。制度の一般的な内容を整理したページです。自治体条例や個別工事の判断は、工事場所を所管する労働基準監督署・自治体または有資格者へご確認ください。

目次