アスベスト(石綿)に関するルールは、 2021年以降、段階的に見直されています。 2026年現在、解体・改修工事では、 事前調査・行政報告・調査者資格・石綿含有の判定 を工事内容に合わせて確認することが大切です。
解体・改修する部分の材料について、 石綿が使われているかを確認します。
報告対象規模では、 石綿が「なし」でも結果の報告が必要です。
建築物・工作物など、 対象に合わせて調査者資格を確認します。
※一般に「アスベスト法改正」と呼ばれますが、 単一の「アスベスト法」という法律ではなく、 主に石綿障害予防規則や大気汚染防止法などの 改正を指して使われています。
アスベスト法改正の流れ|2006~2026年
細かな改正内容をすべて覚える必要はありません。 まずは「いつ、何が変わったか」を 大まかに確認しておくと、 現在必要な対応を整理しやすくなります。
石綿0.1%超の製品の 製造等を原則禁止
建築物の着工時期を確認するときの 重要な基準日の一つです。 当時、一部の製品には禁止の猶予がありました。
事前調査・記録等の ルールを見直し
書面・目視を基本とする調査や、 調査結果・作業状況の 記録に関するルールが強化されました。
一定規模以上で 事前調査結果の報告を義務化
報告対象規模に該当する工事では、 石綿が「なし」でも 事前調査結果を報告します。
建築物の事前調査者に 資格要件
建築物の事前調査は、 原則として法令上の要件を満たす者が 行う必要があります。
切断等の作業時の 粉じん発散防止措置を見直し
湿潤化だけでなく、 除じん性能を有する電動工具など、 作業条件に合った措置を確認します。
一部の工作物にも 事前調査者の資格要件
工作物の種類・材料・作業内容に応じて、 必要な調査者資格を確認します。
自分の工事では何が必要?1分でチェック
「事前調査が必要か」 「資格者による調査が必要か」 「行政報告が必要か」は、 それぞれ判断基準が異なります。 工事条件を選びながら確認できます。
事前調査・資格・行政報告を1分でチェック
いくつかの質問に答えると、 事前調査・資格・行政報告の要否 をかんたんに確認できます。
事前調査・資格・行政報告 の3項目をまとめて確認できます。
事前調査は原則必要です
着工日等の書面確認が必要です
規模要件に該当すれば報告が必要です
工事する対象はどちらですか?
工事内容はどちらですか?
解体する部分の床面積は?
工事の請負金額(税込)は?
※工事に係る材料費・機器費・消費税を含む 請負金額でご確認ください。 事前調査の費用は含みません。
対象建築物の新築工事の着工日は?
設計図書など、 着工日を確認できる書類をご確認ください。
工作物の種類をお選びください
対象工作物の設置工事の着工日は?
設計図書・設置記録など、 着工日を確認できる書類をご確認ください。
石綿が使用されているおそれのある材料を 除去等する作業ですか?
一部の設備で使用される ガスケット・グランドパッキン等に 該当しますか?
一部の用途では、 2006年9月1日より後まで石綿使用禁止が 猶予されたガスケット・グランドパッキンがあります。
どの設備・部材に該当しますか?
現在の部材の設置・交換時期は?
石綿含有の有無を判断できない場合は、 試料を分析して確認するか、 石綿含有ありとみなして 対応する方法があります。
アスベスト分析を見る →法改正後の実務|工事前・工事中・工事後
法改正を年ごとに覚えるよりも、 実際の工事の流れで考えると分かりやすくなります。 事前調査から工事後の確認・記録まで、 順番に見ていきます。
調べる・判断する
まずは 「どこを壊す・削る・外すのか」 を整理します。
- 解体・改修する部分を 書面・目視を基本に事前調査
- 建築物・工作物に応じて 必要な調査者資格を確認
- 石綿の有無が明らかにならない場合は 分析または石綿含有とみなし
- 調査結果を記録し、 必要な行政報告・届出・作業計画を確認
飛散・ばく露を防ぐ
石綿含有建材がある場合は、 建材と作業方法に合った対策を行います。
- 事前調査結果の概要を 見やすい場所に掲示
- 湿潤化や除じん性能を有する 電動工具などの粉じん対策
- 作業に応じて 呼吸用保護具・保護衣・隔離等を実施
- 対象作業では 石綿作業主任者・特別教育等を確認
確認・記録する
作業が終わった後も、 確認と記録までが一連の対応です。
- 石綿除去等を行った場合は 作業後の状況を確認
- 吹付け石綿・石綿含有保温材等の除去では 隔離解除前に取り残しを確認
- 事前調査結果や作業状況等の記録は 3年間保存
- 労働者ごとの石綿作業に関する記録には 40年間保存が必要なものもあります
実務で特に確認したい4つのポイント
法改正の中でも、 現在の解体・改修工事で特に間違えやすいところを 4つに絞りました。 タップすると詳しい内容を確認できます。
2022 「石綿なし」でも行政報告が必要な場合があります
事前調査結果の主な報告基準は 次のとおりです。
請負代金には材料費・機器費・消費税を含み、 事前調査の費用は含みません。 報告対象規模に該当する場合は、 石綿が使用されていないと判断した工事も 報告します。
基準未満でも、 事前調査そのものが不要とは限りません。
2024 切断等では作業に合った粉じん対策
石綿等の切断等を行う場合は、 次のいずれかの措置を行います。
必ず「水で湿らせる方法だけ」 という意味ではありません。 建材の種類や作業内容に応じて、 隔離・保護具など別途必要な措置も確認します。
2026 工作物も調査者の資格区分を確認
2026年1月1日以降に着工する対象工事では、 工作物についても資格者による事前調査が 必要となる区分があります。
設備系の特定工作物
反応槽、加熱炉、ボイラー、配管設備などでは、
工作物石綿事前調査者による調査が
必要となる区分があります。
その他の特定工作物
煙突、トンネルの天井板、遮音壁などでは、
工作物石綿事前調査者のほか、
一定の建築物石綿含有建材調査者等でも
調査できる区分があります。
2006 2006年9月1日以降でも確認は必要です
建築物の新築工事の着工日が 2006年9月1日以降であることを 設計図書等の適切な書面で確認できる場合は、 その確認によって事前調査を 終了できる場合があります。
着工日を確認し、 その根拠を記録すること自体が 事前調査の一部です。
工作物では、 一部のガスケット・グランドパッキン等に 石綿使用禁止の猶予があったため、 設備・部材によっては 別の基準日の確認が必要です。
石綿の有無を判断できないときは、
分析で確認できます
書面や目視などで確認しても 石綿の有無が明らかにならない場合は、 分析して確認する方法 と、 石綿含有とみなして必要な措置を行う方法 があります。
NASU環境分析センターでは、 JIS A 1481-1による定性分析 のご依頼を全国から受け付けています。
※分析が必ず必要という意味ではありません。 石綿含有とみなして 法令上必要な措置を行う方法もあります。

