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【アスベストの見分け方8選】判定方法を徹底解説|石綿事前調査

アスベストの見分け方8選

建築物などの解体・改修工事前には、アスベスト事前調査を行うことが義務付けられております。
この記事ではアスベスト(石綿)含有建材の見分け方についてわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • アスベスト含有建材(石綿含有建材)の見分け方
  • アスベスト事前調査の方法

この記事は以下の方におすすめです!

・できるだけ費用をかけず、建材のアスベストの有無を見分けたい。
・アスベスト事前調査の方法がわからない。

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建材のアスベスト(石綿)の有無が判別できず、お困りではございませんか?

NASU環境分析センターでは石綿含有建材調査者の方へアスベストの簡易判定アプリ(アスベストAIチェッカー)を提供しております。

アスベストAIチェッカーとは
  • 建材にアスベスト(石綿)が含有しているかを判定
  • 必要なものはお手持ちのスマートフォン・専用レンズのみ
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「石綿含有みなし」の判断材料や作業員の方の安全確保などに「アスベストAIチェッカー」をご活用ください。

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目次

アスベスト事前調査とは

解体工事や改修工事を行う前には、下図の流れで建材にアスベスト(石綿)が使用の有無を調査すること必要があります。

アスベスト事前調査の方法

アスベスト事前調査は、工事の規模に関わらず実施する必要があります。

2006年9月1日より前に着工された、築年数の浅い建築物も事前調査は必要です。
目視調査(現地調査)が割愛される以外は通常の事前調査と同様の流れとなります。

事前調査が不要な場合

例外として、アスベスト事前調査が不要な場合があります。
詳しくは下記の記事をご確認ください。

事前調査に必要な資格

2023年(令和5年)10月1日から、有資格者によるアスベスト事前調査・分析が義務化されました。
詳しくは下記の記事をご確認ください。

アスベストの見分け方

アスベスト(石綿)の繊維は非常に細かく(髪の毛の5000分の1の太さ)、見た目だけで建材にアスベストが含まれているかどうかを見分けることは難しいです。

事前調査では主に設計図書等を用いた「書面調査」と現地での「目視調査」を行います。
書面調査と目視調査で建材情報の相違がないかを確認した後に、建材のアスベストの有無を判定します。
この調査方法は法律で義務付けられております。

アスベストを見分ける際の注意事項
  • 基本的には書面調査と目視調査を行い、建材のアスベスト(石綿)の有無を判断します。(2006年9月1日より前の建築物等は除きます)
  • 書面調査と現地調査で相違があった場合は、「目視調査(現地調査)」を優先します。
  • レベル1建材やレベル2建材の可能性がある吹付け材や保温材などの「アスベスト無し」を証明するためには、基本的にアスベスト分析を行う必要があります。
  • メーカー資料などを「アスベスト無し」の根拠とする場合は、目視調査で商品名やメーカー名、ロット番号などから対象建材を特定できる必要があります。

アスベストの見分け方一覧

アスベストの見分け方の一覧を以下に記載します。

本記事は可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、正確性等を保証するものではありません。
当サイトに掲載された内容によって生じた、損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

アスベストの見分け方一覧
判定方法調査区分判定可能な石綿含有建材のレベル
書面調査目視調査レベル1レベル2レベル3石綿無し
建築物等の着工年代
石綿(アスベスト)含有建材データベース
メーカー資料・問い合わせ
過去のアスベスト事前調査結果
石綿含有建材の製造時期
アスベストマーク
アスベストAIチェッカー
アスベスト分析

レベルとは石綿含有建材を破砕や切断時における、アスベスト(石綿)の飛散のしやすさを表しています。

レベル1の石綿含有吹付け材が最も飛散しやすく、最も危険度が高いです。
レベル3の石綿含有成形板等は石綿が建材に練り込まれ、固定されているため比較的飛散しにくいと言われております。

各レベルの石綿含有建材の種類と飛散性
レベルの分類建材の種類飛散性
(石綿の飛びやすさ)
主な使用箇所
レベル1石綿含有吹付け材著しく高い建築基準法の耐火建築物などのはり、柱など
レベル2石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材高いボイラ本体及びその配管、空調ダクトなど
レベル3その他の石綿含有建材(成形板等)比較的低い建築物の天井、壁、床など

建築物等の着工年代から判定

建築物の着工時期でアスベスの有無を判定

アスベスト事前調査で最初に行う書面調査が、建築物等の着工日を確認する作業となります。

下図の通り、工事対象の建築物などが「2006年9月1日」以降に着工している場合は、「アスベスト無し」と証明できます。

アスベスト事前調査は「書面調査」と「目視調査」をセットで行うことが義務付けられております。

例外としまして、「2006年9月1日」以降に着工していることを書面調査で確認できた場合は、「アスベスト(石綿)無し」と判断し、目視調査(現地調査)を割愛できます。

判定方法建築物等の着工日を確認
調査区分書面調査
判定可能な石綿含有建材のレベル石綿無し
確認方法建築物の着工日を確認できる書類を用意します。

着工日を確認できる書類の一例

・登記事項証明書(登記簿謄本)
 他人が所有する建物含め、誰でも発行可能できます。

・建築確認済証
 建物の所有者の方が所持しております。

・検査済証

登記事項証明書(登記簿謄本)は「原因及びその日付」で建築年月がご確認できますが、着工日に関する明記はございません。
アスベスト無しと判断するためには登記事項証明書に記載されております建築年月が、十分に余裕を持って2006年9月1日以降である必要があります。

下記の一部の工作物に関しては、確認する着工日が異なりますのでご注意ください。

ガスケットまたはグランドパッキンの場合の確認する着工日

ガスケットまたはグランドパッキンの場合には、書面調査で以下の着工日を確認することで、石
綿含有建材が使用されていないと判断することができます。
出典:「事前調査の方法(環境省)」のI9~I10(環境省)

  • 平成18(2006)年9月1日以後に設置の工事に着手した非鉄金属製造業の用に供する施設の設備(配管を含む。以下この号において同じ。)であって、平成19(2007)年10月1日以後にその接合部分にガスケットを設置したもの
  • 平成18(2006)年9月1日以後に設置の工事に着手した鉄鋼業の用に供する施設の設備であって、平成21(2009)年4月1日以後にその接合部分にガスケット又はグランドパッキンを設置したもの
  • 平成18(2006)年9月1日以後に設置の工事に着手した化学工業の用に供する施設の設備であって、平成23(2011)年3月1日以後にその接合部分にグランドパッキンを設置したもの
  • 平成18(2006)年9月1日以後に設置の工事に着手した化学工業の用に供する施設の設備であって、平成24(2012)年3月1日以後にその接合部分にガスケットを設置したもの

「2006年9月1日」以降に着工した建築物などにおきましても、一定規模以上の工事の場合は、事前調査結果を行政へ報告することが義務付けられております。

アスベスト事前調査結果の報告については下記の記事をご確認ください。

石綿(アスベスト)含有建材データベースで判定

石綿含有建材データベースでアスベスの有無を判定

石綿(アスベスト)含有建材データベースでは、アスベストが含まれている建材を調べることができます。

書面調査・目視調査にて確認した建材の情報を入力して検索することで、石綿含有建材に該当するかを確認できます。

本データベースは全ての石綿含有建材が掲載されておりません。

そのため、本データベースに記載がないことをアスベスト「無し」の証明にご使用することはできませんのでご注意ください。

判定方法石綿(アスベスト)含有建材データベース(国土交通省・経済産業省)
調査区分書面調査 現地調査
判定可能な石綿含有建材のレベルレベル1 レベル2 レベル3
確認方法石綿(アスベスト)含有建材データベースにアクセスし、建材名や商品名などを入力して検索します。

工事を行う建材と同一の商品をデータベースのリストで確認できた場合は、アスベスト「有り」の建材(石綿含有建材)となります。

目視調査も行い、設計図書等と実際に使われている建材に相違がないかを確認する必要があります。
備考石綿含有建材データベース内の「アスベスト非含有建材」において、アスベストが含まれていない建材のリストが公開されております。

該当する建材の場合は製造メーカー等に確認し、非含有証明などをもらうことでアスベスト無しと判定することができます。

メーカー資料または問い合わせをして判定

メーカーに問い合わせをして石綿の有無を判定
判定方法建材メーカー等に問い合わせ
調査区分書面調査 現地調査
判定可能な建材のレベルレベル1 レベル2 レベル3 石綿無し
確認方法設計図書等に建材の商品名等が記載されているかを確認します。
その情報を基に該当メーカーに問い合わせをします。

目視調査でも商品名やメーカー名、ロット番号などから対象建材を特定することが必要です。

またメーカーでアスベストの非含有証明書を発行している場合は、以下の通り現在の規制基準を満たした証明ができているかを確認する必要があります。
メーカー資料等を「石綿無し」の判定に活用した場合の確認事項
  • 調査対象の石綿がクリソタイル等の6種類全てであること
  • 0.1重量%以下で石綿無しが確認されていること

過去のアスベスト事前調査結果から判定

過去のアスベスト事前調査結果からアスベスの有無を判定

過去にアスベスト事前調査をしている場合は、その調査結果を基にアスベスト(石綿)の有無を判定できます。

事前調査の後に改造、補修された箇所がある場合はその記録も合わせて確認する必要があります。

判定方法過去のアスベスト事前調査結果から判定
調査区分書面調査 現地調査
判定可能な石綿含有建材のレベルレベル1 レベル2 レベル3 石綿無し
確認方法石綿有りの判定方法
過去の調査で「石綿有り」と判断された建材は、改造、補修で除去された履歴がなければ、石綿ありと判定します。

石綿無しの判定

アスベスト分析結果の確認
アスベスト分析を行い「石綿無し」とされている場合は、石綿の種類や含有率を確認します。

6種類のアスベスト(クリソタイルやアモサイト等)が、全ての含有率が0.1重量%以下であることを確認できている場合に「石綿無し」と判定できます。

調査範囲の確認
過去の事前調査結果と現在で対象建材に相違がないかを調査し、調査対象建材について同一建材と判断する範囲を確認します。

※ 過去の事前調査において具体的な調査範囲の記録がない場合は、「石綿無し」の判断根拠にはご使用できません。

過去の事前調査の結果から「石綿無し」と判定する場合は注意が必要です。

法改正により規制対象となるアスベストの種類の追加・規制基準(含有率0.1%以下)の変更があったため、過去にアスベスト分析を行なっている場合におきましても、現時点での規制をクリアできている分析結果であるかどうかを確認する必要があります。

過去の事前調査結果を「石綿無し」の判定に活用した場合の確認事項
  • 分析の対象とした石綿がクリソタイル等の6種類全てであること
  • 石綿の含有無しの判定が 0.1%以下の基準でなされていること
  • 同一と考えられる建材の範囲の判断が適切であること

石綿含有建材の製造時期から判定

石綿含有建材の製造時期でアスベスの有無を判定

石綿含有建材は建材の種類によって製造された年代が異なります。
建築物等の着工年代から、アスベストが使われているか否かを推定する方法で、石綿含有みなしの判断材料として活用します。

判定方法石綿含有建材の製造時期から判定
調査区分書面調査 現地調査
判定可能な石綿含有建材のレベルレベル1 レベル2 レベル3
確認方法石綿含有建材の製造時期と工事対象の建材の製造時期を比較し、アスベストが含有しているか否かを推定します。

製造時期が示されている書類(例)
目で見るアスベスト建材(第2版)[国土交通省]

この方法で石綿が有ることが確認できないことで「アスベスト無し」の証明にはなりませんので、ご注意ください。

レベル1建材の可能性がある吹付け材はアスベスト除去工事費用が高いため、アスベスト分析を行い石綿の有無を判定するケースが多いです。
アスベスト(石綿)含有建材と製造時期
アスベスト含有建材と製造時期一覧

アスベストマークを確認して判定

石綿含有建材の識別を容易にするために、1989年7月から生産業者の方が自主的にアスベストマーク「a」を押印しておりました。
アスベストマーク「a」が押印されている建材はアスベスト(石綿)が含有しております。

判定方法アスベストマーク「a」を確認して判定
調査区分現地調査
判定可能な建材のレベルレベル3
手順建材の裏面等に「a」のマークが印字されているかを確認します。

「a」のマークが印字されている場合は、建材にアスベスト(石綿)が含有しております。(石綿含有建材)

アスベストマーク「a」は全ての石綿含有建材に押印されておりません。

そのためアスベストマーク「a」が建材に押印されていないことを、「アスベスト無し」の証明にはご使用できませんので、ご注意ください。

アスベストAIチェッカー(当社アプリ)で判定

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NASU環境分析センターでは建材のアスベスト(石綿)の有無を判定するアプリ、「アスベストAIチェッカー」を提供しております。(特許出願中)

アスベストAIチェッカーとは
  • 建材にアスベスト(石綿)が含有しているかを判定
  • 必要なものはお手持ちのスマートフォン・専用レンズのみ
  • 最短30秒でAI(人工知能)が判定
  • どなたでも簡単にご利用可能
判定方法アスベストAIチェッカー(当社アプリ)で判定
調査区分現地調査
判定可能な石綿含有建材のレベルレベル3
確認方法建材を採取し、撮影した写真を専用アプリにてAI判定を行い、アスベスト(石綿)の有無を確認します。

判定費用
 1検体 990〜1,980円

判定時間
 最短30秒

建材を採取するため、飛散・ばく露防止対策を行う必要がございます。

本アプリの判定結果は公的な証明にはご利用できかねますので、ご了承ください。

石綿含有みなしとアスベスト分析のどちらを選択するか等の判断材料などにご活用ください。

アスベストAIチェッカーのメリットとデメリット
メリットデメリット
最短30秒でアスベストの有無を判定できる
工事現場で使用できる
判定費用が安価(1検体 990〜1,980円)
石綿含有濃度が低いと感知しない
建材の種類によって誤判定する場合がある
検出できる石綿はクリソタイルのみ

アスベストAIチェッカーに関する詳しい内容は下記のページをご確認ください。

アスベスト分析で判定

アスベスト分析でアスベスの有無を判定

書面調査と目視調査でアスベストの有無がわからない場合に行う最終手段が「アスベスト分析」です。

「アスベスト無し」と証明できる数少ない方法の1つです。

判定方法アスベスト分析で判定
調査区分 現地調査
判定可能な石綿含有建材のレベルレベル1 レベル2 レベル3 石綿無し
確認方法建材を採取し、分析機関へ送付しアスベスト分析を行います。
アスベスト(石綿)の有無が確認できない場合の最終手段となります。

アスベスト分析の費用(相場)
 1検体 20,000〜30,000円

アスベスト分析の納期

 1〜2週間

建材を採取するため、飛散・ばく露防止対策を行う必要がございます。

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熟練の有資格者による分析ですので、2023年10月の法改正以降も対応可能です。

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アスベストの分析方法は複数あり、分析方法により建材を採取する箇所が異なる場合がございますのでご注意ください。

アスベストの分析方法の違いや分析機関の選び方をわかりやすくまとめました。
詳細は下記の記事をご確認ください。

まとめ

最後にアスベストの見分け方についてまとめます。

アスベストの見分け方のまとめ
  1. アスベストを見分けるためには、「書面調査」と「目視調査」で建材の情報が一致していることを確認する必要があります。
  2. アスベスト除去工事の費用が高価なレベル1建材などの可能性がある吹付け材などは、石綿含有みなし処理せず、アスベスト分析を行い石綿の有無を判定するケースが多いです。
  3. 石綿含有建材のほとんどがレベル3建材(石綿含有成形板等)です。

    全ての建材をアスベスト分析すると費用も時間もかかるため、アスベスト含有の可能性に応じて「石綿含有みなし」処理や「アスベスト分析」を選択するのも一つの方法です。

壁の穴開けなど、処分する建材の量が少ない場合などにおきましては、アスベスト(石綿)含有の可能性に関係なく石綿含有みなし処理する方が、トータルコストを抑えることができる場合もあります。

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